【アイナナ5部最終更新感想】~シャングリラの理想、掴んだ〜

★★★5部のネタバレを含みます★★★

★★★当サイトは検索に引っかからないようになっています★★★


5部読了で一番最初に出てきた感想。


環くんを、普通の17歳の男の子にしてくれてありがとう。 


普通の男性であるつなしさんにしか、
環くんの足をそちらに向けてやることはできなかったような気がする


【5部最終更新感想〜シャングリラの理想、掴んだ〜】 

※高揚のまま整頓せず書き殴っているので、後で消したくなるかもしれないです…。


何もかもしたい、ふつふつとしたエネルギーも、 
何もしたくない、このまま浸りたい満足感も、 
同時に体にあって、 
それが全く反発せず、混ざり合って溶け合っていた。 
そんな読後感だった。 


ライブを終えたアイドルの気持ちって、
ずっとこんな感じなのかなってちょっと思った。 
エンパワーされて、自分の強さを感じて、受け取る愛情の大きさにはしゃいで 
何でもできる気がして、でも何かするのがもったいないような。 
動き出したいのにここで浸っていたい。 
すごく幸せだった。 
そんな気持ちを抱かせた、舞台『ゼロ』の力を、強く実感した。 


読み終えて、環くんのことを、
ひとりの普通の、進路に悩む、
ただの高校生の男の子にしてくれた舞台『ゼロ』への、
強い感謝の気持ちを覚えた。 


いいものを見て、感動して、 
そこまで期待してもいなかったものが 
本当は本当に凄いものだとわかったときの 
普通の男の子の高揚。 


舞台『ゼロ』は、龍之介と楽は、 
環くんに、踊る体でこんなことができるんだぞと教えた。 
踊りたい、といつも願っていた環くんの足を、 
より大きな自分になろうとする願いの方へ、
自然に向けさせてくれた。 


環くんの胸で、二つに分かれて揺れていた、 
誰かに合わせていたい、雰囲気を悪くしたくない気持ちと 
自分をもっと高いものにして、気持ち良いことがしたい、 
もっともっと楽しみたいという欲求とを、 
環くんの中で撚り合わせてくれた。 


いいんだよって。 
君は、君の夢に行っていいよって。 
それはちゃんと君の夢だよって。 


愛おしかった。
たったひとりの男の子になれた、
アイドルだけど、アイドルじゃない、
ただ客席の一人になった環くんが。
高校のクラスで、アイドルだから特別視されることに悩んでいた環くんが、
やっと、等身大でいい、17歳の男の子になれた。


15章2話のつなしさんの人柄で、
私は本当に泣きじゃくってしまったんだけど、
そういう人の踊りだから、環くんに真っ直ぐ 
まじりけなく、かっけえ、って思わせられたんだと思う。
誰とだったらあんなことができるのかなって、
つなしさんが得ている無二の存在への憧れも抱かせて。


つなしさんは、弟たちとの約束を大事にして、
それを反故にしたくなくて困り、
故人を愛する人の痛切な気持ちを尊重する「普通の人」で、
人の死去を「天国に行ってしまった」と言う、柔軟で暖かい人。
でもそれだけじゃなく、
自分を苦しい状況に置く人のことでも「心が乱れて当然なんだ」と
フラットに見ることができる、
自分の感情と大局を切り分けられる、
理性的で、あるいはすごく本能的な、
集団を忖度せず自分の本質を見つめられる、大きな人。


仲間はずれにすることじゃなくて支え合うことだって言いながら
かつて自分を陥れた相手に、自分のことを「君だって同じ」と言える人。


誰にでもできることじゃなかった。
どんな人にだって満開の笑顔を浮かべてほしい、って、
つなしさんにしか言葉にできない、
つなしさんが言うからこそ他の誰より真摯で切実な、
アイドリッシュセブンのメッセージだなと思う。


そんな人がいてよかった。


Phenomenon、ありがとう……。


上質なものに夢中になって揺すられたあとの、
じわじわしてぎゅっとなって、
良かったな、ってたゆたいながら、
自分の体を少しずつ思い出していく時間を
きっとあの世界の全ての人が、
あの舞台を見て、引き込まれて、味わっている。


和泉三月が経験した悲痛な憧れとの別れは、 
この舞台で観客の一人としてゼロに声を重ねることで救われ、 
ありがとうでも、おつかれさまでも、さよならでもない、 
大好きだ、幸せだ、に満ちながら幕を引いたんだろう。 


永遠ってそれがいい。 
終わったことを、いつか取り出して眺めて、
ああよかったなって思えるような。 
永遠じゃなくても幸福ならいい。 
未来にどこかで続いていると思えるなら。 
虹がかかっていなくても、思い出したとき、 
熱狂していた頃の虹を思い出せるなら。

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