【新刊サンプル】ゼロ・アウト
7/24ミツヤマオンリー新刊!
5部直後。ゼロに嫉妬してしまった大和さんの話。
★サンプル内に性描写はありませんが、
実際の本はR18です。
★おまけつき!
…漫画&らくがきコピー本(A5・26ページ)
『ラブミーラブユーミスリード』
相手が自分を好きだと、
お互いに勘違いしているミツヤマの話。
※この記事の最後にサンプルがあります
◆頒布イベント
2022年7月24日 星に願いを。
ミツヤマオンリー
【ハチミツやまもりパンケーキ】
◆頒布スペース
東6 ち07a 【ねんねんごじ】
◆判型・価格
文庫 56ページ
500円(会場頒布価格)
★会場で余ったら通販を実施します。
【ご注意】
※メインストーリー第五部後の話です。
メインストーリー第五部最終章のネタバレを
多分に含みますので、
ぜひメインストーリー読了後にお楽しみください。
※メインストーリー5部までに、
グループ結成二年半経過していることになっています。
【目次】
0 駆け足
1 ずるいひと
2 ちゃんとさよなら
3 はなしてあげない
0 戻れない夜でおはよう
0 駆け足
「俺のこと見たいっつったくせに、手がかかんなくなったらどうでもいいってか、とか」
こんなことを言いたいわけじゃない。勝手に動く唇に、ミツが指先を添え、やわく押した。
分かってるよと言っているみたいだった。暗がりに俯く俺に、それでも信じてるよと。
この手に何度も、本当のことを明かさせられてきた。
「お前さんの……好きなもんのこと、分かってるけど」
ミツの指は、十指に俺の頬を包んで、自分の方を向けさせる。左下の辺りにさだめた視線を動かせないまま、ぼそりと呟いた。
「いまミツが選んだのは俺だろ……」
耐えかねたように、唇に、やわいものが押し当てられた。ぶつかったままの唇が、上機嫌にかすかな吐息をもらす。
「大和さん、ゼロにやきもちやいてたんだ?」
「るせえな……いいでしょ、別に」
「うん。すげえいい」
あわさったままのくちびるが、ごにょごにょと動くたびに、甘くくすぐったい衝動が胸を走った。
それがなんなのか認めたくない。まだどこかねじれたままの気持ちを、ミツがキスでぬらして、ほどいていく。
「なあ」
甘い声がささやいた。
「抱いてもいい?」