32SS
◆「~~~っ♡♡♡」甘イキ編
「っふ、ふぅ、っ、ふっ」
大和さんの鼻息、荒いな……。
「声、我慢させて、ごめんな」
耳元に唇を寄せて囁くと、大和さんがびくびくと肩を震わせる。その目じりにはじっとりと汗が光っていた。申し訳ない気持ちでこめかみにキスをする。
「んんっ……」
オレの部屋でセックスをするのは久しぶりだ。いつも、角部屋の大和さんの部屋で、隣室の壮五がいない日に体を重ねていた。
今日は、壮五が部屋で作曲をすると聞いた。そんな横でセックスに励むのは気が引ける。けど久々に2人で過ごせる夜、オレの部屋での部屋飲みのあと、なだれ込むように互いの服を乱した。
「……っ、っ、……ふっ」
いつ人が来てもいいように、大和さんのズボンは太ももの半ばまでしか下ろしていない。ベッド脇に膝をついてベッドにうつ伏せた状態が恥ずかしいのか、大和さんは顔を向こうに向けている。その頬にキスを落として、体を起こした。
「ふ、っ、ふーっ、ふぅ、ん♡、っ♡、い、」
大和さんの尻をまさぐる指を増やすと、食いしばった歯の間から大和さんが必死に息を吸った。吐息の合間合間に甘い喘ぎが漏れ始めている。
かわいい。
大和さんの髪に指を通して、汗に湿った頭皮を撫でる。
ぴちゃぴちゃと舌で耳の中をくすぐると、大和さんはいっそう耐えがたそうに身をふるわせた。
薄い粘膜に覆われた奥の、大和さんの気持ちいいところ。指で押さえて、軽くさすって、二本の指で挟むように揉む。大和さんはその全てに、びくびくと腰を跳ねさせて感じ入った。ぐいー、と、緩慢な動きで気持ちいいところを強く押し上げてやる。
「……っ♡っ、……っん♡っ、ふ♡、んん♡」
いやいやをするように頭を振って、大和さんが脚をだらしなく開いた。開いた足の奥、男の性感を表す部位がちゃんと反応していて、ほっとするし、むらっとくる。
「大和さん……」
名前を呼びながら、背中に抱きついて口付ける。大和さんは意外と、後ろから押さえ込まれるのが好きだ。征服されるのが嬉しいタイプなんだろうか。
背筋を舐め上げると、大和さんは、うう、と細く長くうめいた。呻きながら、がくがくと腿が揺れ始める。
「大和さん? ここ気持ちいい?」
「〜〜〜っ♡♡♡」
震える足に自分の脚をぴとりと寄り添わせ、大和さんの体をベッドに押さえつけると、大和さんはちらりと目線だけでオレを見た。とろんと甘ったるい目が、もっと、と刺激を求めてくる。
「っ♡……っ♡♡」
と、上から押さえつけるオレの体を浮かせる勢いで大和さんが腰を震わせた。
大和さん、甘イキしてる……? これ以上我慢させてもかわいそうだよな。
「大丈夫、もっとしような」
欲しがって甘える瞳に頷きを返す。大和さんがこくんと小さく頷いて、体を起こしたそうにした。
もう後ろもほぐれてきたよな……。
大和さんの手の甲に手のひらを当て、指を絡めて引き起こす。
大和さんをベッドに仰向けで寝かせながら、その唇を何度もついばんだ。仰向けになった体の中心は、射精していないのが不思議なくらい、ぐっしょりとはしたなく濡れている。
「ミ、ツ」
引き抜いたばかりの指で、コンドームを身につけていると、名前を呼ばれる。
「うん」
意外と支配されるのが好きで、本当は甘えたがりの恋人に、何度目か知れないキスを落としてやった。片手を繋ぐ。
「挿れるぜ」
濡れた瞳が嬉しそうに緩んで、細い目の奥に熱を灯した。
ああ、この瞬間だ。
あんたのこの顔が好きだから、何回だって、こうして抱きしめたくなるんだ。
はあ、はあと、大和さんが荒く息を吐いては吸う、その間隙に、後ろにオレのものを宛てがう。
大和さんが、息を飲む。ぐっと、中に亀頭を押し進めながら。
息をつくと、自分が微笑んでいるのがわかった。
「ん、ぁ……あ、っぐ、っ……♡」
大和さんの中がうねって、嬉しそうにオレを迎えてくれる。
健気でかわいいオレの恋人。
「大和さん、大好き」