32SS 


◆「~~~っ♡♡♡」マッサージ編

「熱くなってきた?」
「あ、ぁー、うん、すごいな。ほんとに、ぽかぽか……つーか暑い……」
「この前の温泉ロケで、エステティシャンの人に勧められてさ。すっげえ疲れ取れるんだって!」
楽しみだなー。
浮かれたミツの声が、頭の後ろで聞こえてくる。うつ伏せの俺に馬乗りになって、うきうきとマッサージをしてくれる、優しくて健気なミツ。
ミツは気づいていない。今、俺の身に起きているとんでもない事態に。
……二人きりの休日。もう俺は、一日中寮に籠ってミツに抱き潰してもらおうと思っていた。健全な成人男子たるもの、無性にムラムラする時だってあるのだ。
そして、そのためにわざわざ早起きして、ケツにローションをぶち込んでミツの部屋を訪れた。といっても、いきなり本題をもちかける訳には行かず。
最近疲れてるからさ。そんなふうに外濠を埋めにかかった結果……。
ケツにローションをぶち込んだまま!
ミツに、温感オイルマッサージをされる羽目になったのである!
「あー、はぁ、気持ち……っ、い、気持ちい。ミツも、やって……んっ、やろうか?」
ミツの手が、ぬるぬると俺の体に温感オイルを伸ばしていく。オイルと言うよりローションめいたテクスチャの液体が、俺の体をねっとりと温め始めた。
「んー、オレはいいよ。大和さん、疲れてんだろ?この辺とか、凝ってそうだよな」
クソッ……いちいち気遣いのできる奴だよお前は!
代われ、今にもローションがケツから漏れてきそうで気持ち悪いんだって!
馬乗りになったミツが、体重をかけて俺の腰のツボを刺激してくる。リンパを流すような力強い手つきで腰を撫でさすられ、ぬるぬるでホカホカの手が時折腰骨を掠めて……。
当然、二次災害が起こる。起こるというかたつというか……。
こうしていきいきと体に触れてくるミツといて、困ったことが一つで終わるわけないのだ。
勃起、しても仕方ないよな?!
「あははーそう? んっ、はぁ、お兄さんも……っ、そろそろいいかな、ぁっ♡なんて……」
「あ、腰もういい? それなら足の付け根とかやってやるよ。ズボン脱がすぜ」
「えっ?! あっ、いやそこはいい、そこはいいから待って……」
ぐい。
言ったらやる、有言実行、部屋に入りながらノックをしてくる俺の彼氏、和泉三月。そいつが制止を聞く訳もなく。
ずり下ろされようとしたズボンは……そのゴムを俺の勃起したチンコに引っ掛けて、ケツの半ばで留まった。
「………………っ」
「……大和さん、大丈夫だって、気持ちいい証拠じゃん、オレは嬉しいからさ……」
ミツは改めて下着も脱がそうと、衣類に手をかけ直した。
「………………あの、ほんと、いいから」
「いやいや、気にすんなよ。それも抜いてやるし……ほら、ケツ上げて」
「ほんと、待っ、だめだって、ミツ、出る……っ!」
ミツの片手が、腰を支えようと、腰骨にきつくくい込んだ瞬間。
「♡♡♡っ! っ、~~~っ♡♡♡」
がくがくがく。
腰が震えて、出てはいけなかったものが、太ももの内側を伝っていた。
何も気づいていないミツが、ずるりとズボンを下ろして……。
「……、えっ、やまと、さ……」
「だ、から、ダメって……言った……っん、っう……」
脱がされた下着に、零れたローションが糸のように繋がっている。
ああもう。
こうなりゃヤケだ。
どうせ、こうするつもりだったし……。
後ろ手にミツの手を掴んで、尻に引き寄せた。
ぷちゅり。ミツの指先が、ぬるつく液体をこぼれさせるところに触れる。
やたら熱く感じるのは、ミツの手に塗り込められたオイルのせいだ。
「っ、はぁ……」
吐く息までじっとりと熱い。
ミツの指を、無理やり中へと進めていく。きゅうきゅうと収縮する場所に、ミツの俺より少し細い指が迎え入れられた。ぬめる液体まみれの場所が、ミツを奥へと送り込もうと蠕動する。
口の中に溜まった唾を飲み込む。ミツが同じように唾液を飲み下す音が、頭の後ろから聞こえた。目だけで振り向く。
はぁ……ようやくだ……♡
「ミツ……♡」
これが、ずっと、欲しかったんだよ……♡
「中も、マッサージ、して……」

おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。