キスおねだり可愛い選手権 2 【陸編】
「リク、お兄さんのすごいキス、知りたくない?」
『いったぁーーー!青コーナー大和さん!青少年の心を性知識でくすぐりに行った!これが大人のやり方か!』
『場を温めもしない単刀直入さ、いっそ清々しいですね。七瀬さんきょとんとしてますよ』
『何分いくらのお店じゃねーんだぞって感じだよな』
『三月さんアイドル的にその発言はどうかと……』
『何?カラオケ?』
「すごいキスって?」
「すごいやつだよ。耳貸して」
「えっ…………っひゃあ!大和さん!息吹きかけただけじゃん!くすぐったい!」
『うわ。ヒソヒソ話を装って耳に息とか。最年長のアドバンテージを最大限生かそうとしてくる』
『問題は陸くん相手にこれが通じるかですね』
『つか、おっさんくさくね?』
「すごいキスって、普通のキスより、その……深いやつ?」
「お、知ってんじゃん。深いやつだよ。そうだな、自分のベロの先で前歯の裏の歯肉くすぐってみ」
「…………くすぐったい」
「ちょっと気持ちよかっただろ?」
『七瀬さん未成年ですけどこれは大丈夫なんですか』
『おっさん頼むから事案はやめてくれよ』
『祈るしかないですね……』
『りっくんちょっとエロい顔してる』
「上顎とか、ベロの下とか、リクの気持ちいいところ全部触ってあげる」
『大和さんが陸の膝に手を!』
『初めからそのつもりで隣ではなく斜め前に座ったんですね』
『キャバクラっぽいなって思ってました』
『そーちゃんキャバクラ行ったことあんの?』
「唾飲み込んじゃって。かわいいな。教えて欲しかったら、キス、してごらん?」
『唇に指を当てましたよ!七瀬さんどうして唇をすこし開くんですか!無防備すぎませんか!』
『いおりん出番終わったから元気』
『一織の健全なやつ見た後でこれはカロリー高いわ……って、もうあと残り時間10秒じゃん!だからおっさん焦ってんのか』
「あ、あの」
「ほら、ここ」
「あ、大和さん」
『陸くんの唇に当てていた指を自分の唇に……グッドナイトオウサムの振りみたいですね』
『この顔たぶん陸も同じこと考え出したな』
「ははっ、それちょっと振り付けっぽい」
『終了〜!おっさん一刻も早く陸から離れなさい!』
『二階堂さん失敗です。七瀬さん、おめでとうございます』
「一織も失敗だったもんな。安心した?」
『一織ー、陸ー、喧嘩になるからやめなさい。大和さん戻っておいで』