キスおねだり可愛い選手権 2 【陸編】


「あー、なんかこれ、思ってた以上に恥ずかしい!陸、緊張してる?」
『兄さんは普通に隣に座るみたいですね』
『嬢のポジショニングだよな』
『ジョウ?』
『環くんは知らなくていいよ』
「緊張してる!三月も?」
「してるしてる!手なんか震えちゃってさ。恥ずかしい」
「ほんとだ。手冷たい!平気?」
「平気。陸は優しいな」
「わ!三月に頭撫でられるのってなんか新鮮かも」
「ちっちぇーって言いたいのかよ?」
「違うよ!なんか、お兄ちゃんって感じがして。三月は一織のお兄ちゃんなんだけど、オレのお兄ちゃんになって欲しいみたいな」
『厳しい展開だな。お兄ちゃん認定はイコール恋愛対象外だぞ』
『実の兄のこういうところを見るのは結構気まずいですね』
『ミツキは楽しそうに見ていましたよ』
「でも今はお兄ちゃんじゃなくて、陸とキスする相手になりたいな」
「恋人ってこと?」
「ゴッホッ……そう。ダメ?」
『おい今むせたぞ』
『むせましたね』
『みっきー恋バナ系苦手そー』
「ダメって言うか……」
「ダメなら、今日で諦めるからさ。思い出くれない?」
『出たー!ドラマや少女漫画のかませ犬あるある!思い出のキス!さりげなく手を握るところもポイント高い!』
『兄さんは好きなアイドルの出ているドラマをよく観ていましたから』
『過去にtime travelして告白をやり直すdramaをこの前観ました』
『あー、モンパチがエンディングの。ガッキーのCM懐かしいな』
『それ知らねー』
『静かに。七瀬さんが話しています』
「思い出って。たくさんあるけど……」
「そうじゃなくて。二人きりの思い出。わかるだろ?」
「二人きり?」
「今だけ、オレを陸の特別にしてよ」
「えっ」
「キス、して欲しいんだ」
『Oh、ミツキ……』
『みっきー、切ない顔してる』
『これは来そう、目の前であんなふうに俯かれたら、リクなら絶対……』
「三月」
「陸?」
『ほら顔上げさせるじゃん、見つめ合うなよもう〜さっさとキスして終了しろ!』
『二階堂さん自分が失敗したからって雑なのは良くないですよ』
『なんだかんだ一織くんもかぶりついて観ているよね』
「その……目、閉じて」
『番組初キスは三月さんと陸くんですね』
『なんかこの溜め見てらんない、お兄さんちょっとお花畑行ってきていい?』
『りっくん、すげー困ってね?目閉じさせといて全然キスしねーじゃん』
『残り時間がもうありません。9、8……』
『リク!目は閉じていても開けていてもいいんですよ!ミツキが待っています!』
『3、2……1!』
『えーーーー!りっくんもー!もーー!』
「うわっ何!えっ、もしかして終わり?!」
『終わり!あとちょっとだったのにー』
「えー!三月ごめん!どうしよう、後でする?」
「しねえよ!陸ごめんな、なんか騙したみたいになって」
「いいけど……ええー、0.5点とかだめかな?オレ的にはもうかなりキスだったんだけど」
『顔の距離的には10センチはありましたね』
『たぶんあと1分必要だったな。ミツ戻ってきてー』


「次俺な」
「おおー、抱かれたい男5位」
「これは期待できますね。自信あるの?」
「最近りっくんが好きって言ってたヤツやるから、いける」
「いける!抱かれたい男5位のいける頂きました!それでは早速ぶちゅっとかましてもらいましょー、入室どうぞ!」

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