キスおねだり可愛い選手権 3【大和編】 


「ちょっとwww待ってwww」
『兄さん?!どうしたんです……これは』
『部屋がものすごく……ファンシーだ!』
『すごい!天蓋つきのベッド!枕にフリルが沢山ついてる!絵本とか小説でしか見た事ないよ!』
「大和さんが息してないwww」
『ヤマさん大丈夫かよ』
『ちょっと中断……できないんですか!?三月ー、そのまま続けてってー!』
『七瀬さん、こちらの声は別室には聞こえませんよ。クリアか、2分の制限時間で聞こえるようになります。兄さんならわかっていると思いますし、見守りましょう』
「ミツ。俺はもうここで死ぬのかもしれない。すごくいい匂いがする」
「wwwwwwわかる、わかるけど起きてくれよ。もう、大和さん」
『三月さんが、ベッドで寝ている大和さんの隣に腰掛けた……始まるね』
「それとも、キスで起こして欲しい?」
『すごいな三月、オレいきなりあんな居心地悪そうな大和さん見たらおろおろしちゃう』
『トップバッターが兄さんで良かったですよね』
「起こすなよ、一緒に寝よ。ふとん最高」
「しょうがねえなあ。オレといる間は寝てていいよ」
『え、キスしねーの』
「ただし!大和さんが起きてキスをしてくれるまで!大和さんを褒め殺す!」
「はあ!?可愛くおねだりはどうしたんだよ!」
「無理!……大和さんが台本書いてくれんならその通りやってやるけど。オレは大和さんのこと信じてるから」
「……寝るからな!」
「おー、好きにしろって」
『二階堂さんは兄さんに背中を向けましたが……まずいですね。添い寝モードの兄さんに背中を見せて、勝てる人間はいません』
『一織?お前そういうこと言うキャラだっけ?』
『どういう意味ですか。いえ、兄さんが褒め殺し宣言をして寝かしつけに入ったということは、本気で頭を撫でてくるということなんです』
『本気で……頭を……?』
『一織くん、何を言っているの?』
「そうやって寝るって言って、1人で部屋で脚本読みしてるの知ってるぜ?環と一織の弁当も作ってくれるし、オレが飲んで帰ってちょっと寝坊した時とか代わりに朝飯作ってくれて。あんたいつ休んでんの、って思う。ちゃんと休んでる?」
「休んでるよ」
『マジだ、みっきーすげーゆっくりヤマさんの頭撫でてる。気持ちよさそー』
『ぶっきらぼうな言い方だけど、大和さん恥ずかしいんだろうな』
「ならいいんだけど。あんた普段はだらけたフリして、実は一番気ぃ張って、オレらのこと守ろうとしてくれてるから。頼りにしてる。でもたまに心配。そういう時は、大和さんの好きなおかず多めに作ってんだけど。気づいてた?」
「……確かに、ドラマの撮影のあととか、ぶり大根、冷蔵庫にあったわ」
「気づいてくれてたんだ。嬉しい……」
『ミツキ……プロフェッショナルです』
『頭を撫でながら大和さんの隣に寝そべり始めたね』
『でもすごい、ほんとに大和さん忙しいときって大和さんの好きなおかずだったかも』
「大和さん、自分はいいよみたいにいっつも一歩引いちまうけど、オレはあんたの隣に立ってたいよ。あんた、かっこいいんだもん。オレの大和さんはすげーんだぞ!って、自慢したくなる」
『ミツキ、イキイキしてます……どんどんヤマトに密着して……』
「なあ、寝ちゃった……?」
『三月が大和さんにのしかかってる!ねえ一織!これ……一織見てないじゃん!』
『見てられないんです!』
『みっきーちょー耳元で喋ってっから、ヤマさんぷるぷるしてんな。くすぐったそー』
『頑なに寝たフリをしているけど、耳は赤いし、口がモゾモゾしているよね』
「寝ちゃったなら、言ってもいいかな。オレ、ほんとは、大和さんのこと、ずっと……」
「あークソ!ミツうっせえ!」
チュッ
「……あれ?終了でいいんだよな?向こうの声聞こえてこねえけど」
『三月さん、大変です。こちらの空気が両親のそういう現場を見てしまったような空気になっています』
「そういう現場って何だよ!とにかくすぐ戻るから待ってろ!」
「ちなみに、お兄さんのことずっと何なわけ?」
「ずっと、ソファで寝たら肩こるからやめた方がいいって思ってたぜ」
「あー……次!タマ!早く来なさーい」


「みっきーすげーな」
「昔から、拗ねてる一織なぐさめてきたしな!オレ大和さんより兄貴歴長いんだよ」
「さすがでした、兄さん。部屋の内装が前回と違うのは驚きましたね」
「あれな。ナギのパートがすげー楽しみだもん。大和さんどんな顔すんだろ」
「ワタシにはヤマトがあのドーリーな部屋に似合うような美しい少女になれるとは思えませんが……」
「僕も楽しみです。環くんの番だけど、自信はある?」
「んー。ヤマさんだろ。いける」
「四葉さんの自信は毎回どこから来るんですか」
「じゃ、環!バトンタッチだ!別室へどーぞー!」

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