キスおねだり可愛い選手権 3【大和編】
「ヤマさん起きろ!ベッド寝んなー!前にヤマさんから借りたDVDのやつやる!一緒にやって」
「えー?芝居の流れでキスさせんのはずるくない?誰も可愛くおねだりしてくんないじゃん」
「してるじゃん。一緒にやって?」
『環かわいい!わんこみたい!しゃがんで首かしげるのが似合うのってすごいよな』
『あなたが言うんですか?』
「ハイハイ可愛いよ。で、タマは何やりてーの?」
「んー、多分わかる。ヤマさんがこいつオトコとしてねーなっつってたシーンやるから。ベッドいて」
『環くん!?』
『大和さん何貸したんだ!』
「いくぜ。……逞にはもう二度と裸は見せない」
『……あっオレ分かったかも。懐かしいやつ!四つ葉のクローバーでてくるやつだ』
「興奮してそんなふうになるなら。絶対、永遠に見せない」
「……ちょっと、待ってよ、繭」
『大和さん分かったんだ!三月、これなんなの?』
『俺らの世代は絶対通ってる少女漫画の映画。心臓病の男と幼なじみの初恋のやつ。四つ葉のクローバーが出てくるんだ』
『だから環くんに貸したんですね!よかった、良くないものだったら大和さんをどうしようかと』
『何する気だ壮五……あーでもこれ、環ミスったかも』
「好きだよ、繭。って後ろから抱きしめてやりたいんだけど。タマ、デカすぎ。お兄さんが後ろから抱きついたらプロレスみたいになっちゃう」
「えー!ヤマさんノリノリだったじゃん!」
「あれは身長差がいいんだよなー。ゴメンなタマ。今日のお兄さん営業終了。おやすみー」
「はあ!?ふざけんなよヤマさん!オトコとしてねーぞ!泣くからな!」
「はいはい、どぞどぞ」
「……う」
『そういえば、さっき環くんに、持ち歩いている調味料を貸してほしいと頼まれたんですけど』
『なるほど。四葉さんは、逢坂さんの激辛香辛料で泣き真似を……』
「う、う〜……ひでーよヤマさん、俺いっぱい考えたのに」
『うわ……かなり泣いているね……』
『壮五引いてやるなって……』
『私は逢坂さんの激辛香辛料の威力に引いています。号泣じゃないですか』
「うわっほんとに泣く?えっ、ガチのやつ?」
「ガチだし……ヤマさんは俺とちゅーすんの、そんなに嫌?」
「……やー、お兄さんバラエティとかあんまガラじゃないっつーか。ちょっと居心地がなー、なんて」
「ううう」
「あー、もー泣くなって!鼻水すげえぞ、カメラの前でそんな顔見せんな〜、抱かれたい男の名が泣くぞ」
「ヤマさんがちゅーしてくれたら泣き止むし!」
「……タマ、まじでお兄さんとしたいわけ?」
「したい」
「……そーかよ」
『即答はずるい!大和さん声震えてるし!』
『ヤマト、勝負球に弱いです』
『あっナギ!それ、タマキだけに?』
『七瀬さん。もうあと少しですから飽きないでください』
「ヤマさん、後ろから抱きしめて」
「……何、結局やんの?」
「やる」
「わーかったよ、オラ、床座れ!体育座り!」
「え、なんで?」
「タマが始めたんだろうが……ちょっと待って、の続き、してやるよ」
「……うん」
『二階堂さんは年下に甘いので、今日は全員成功できそうですね』
『Bonus Stageです』
『そういうこと言うのフラグだから気をつけろよ。あー!体育座りの繭の正面に膝ついてキスするやつ!』
『環くんも大和さんも背が高いので、座ったのは正解な気がしますね』
チュッ
『終了〜〜〜〜!』
「ヤマさんのキス、優しかった」
「感想やめろ!」
「くちびる、ふにふに」
『はいはい環、比べたら陸が傷ついちゃうぞー、戻ってこような!』
『えっオレ傷つくの?』
『キスに慣れているかどうか、の話になってきますからね』
『一織も掘り下げんな!掘り下げただけ火傷すっから!』
「つか、タマの顔から刺激臭したんだけど」
「おー。目の下に、カプ……?カプ何とかシン塗ってっから」
「壮五か……MEZZO”は仲良しで環の回が楽しみだなー!」
「ヤマさん、近くで見るとイケメンだった。おすすめ」
「おすすめって。眼鏡外したらもっとイケメンなのかな?」
「ワタシもイケメンです」
「眼鏡外したら大和さんいなくなっちまうんじゃねえの。じゃあ次、イケメンの壮五!行ってこい!」
「兄さんの振りが雑に」
「ここに時間使うと大和さん向こうで寝始めちまいそうだからさ」
「コメントパートの間、向こうで待ってるの寂しいんだよね……早く次に行くの、いいと思う!」
「そう?じゃあ、あまり自信はないですが、行ってきます」