キスおねだり可愛い選手権 3【大和編】
「……陸と一織、着替え行ったけど。正直年下相手にあの格好、大和さんつらくね?」
「確かに、かなりメイクも凝っていますし、少しその、浮いてしまうというか」
「そうなんだよ。陸はかわいい系だし、一織もオレらん中では大人の魅力とかとは対極だろ?大和さん可哀想な気がすんだよな」
「みっきー、さっきヤマさんにすげー怒ってたじゃん」
「買収のことは今夜叱っとく。でも陸とか、あんな綺麗系の大和さん口説けそうにないし、萎縮しちまうんじゃねえかな」
「じゃーヤマさん着替えさそーぜ」
「えっ、いいのかな?」
「……なら、ワタシに罪を償うチャンスをください。ヤマトを脱がせれば良いのでしょう」
「言い方!スタッフさん止めに来ないし、着替え自体はいいんだろうけど……」
「ヤマトは打算的ぶっていますから、利益があれば乗ってきますよ。問題ありません」
「Hi、ヤマト〜」
「ナギ。忘れ物でもしたか」
「違います。ヤマトに取引を持ちかけに来ました」
「取引?」
「ヤマトの持ち点から0.5ポイント引いて、今すぐ普段の服装に戻りませんか?」
「持ち点も何も俺まだポイントねーけど……できんの?」
「リクが何気なく言った0.5点がミツキに加点されました。おそらく、我々の一存でも多少の点数の操作は可能ということでは?」
「なるほどな。正直、リクとイチにこの格好で会うのキツいしな。着替えていいなら、そうさせてもらうわ」
「取引成立ですね。これでミツキの機嫌がなおります」
「目的それかよ。なんにせよ助かったわ、じゃあ後でな」
「Yes!頑張ってくださいね。ここまでのヤマトは、大人のイゲンをあまり示せていません。リクやイオリとのキス、楽しみにしていますよ」
「……ハッパかけに来ただけかよ」
「ヤマトのファンの女性達へのサービスですよ」
「ということで!陸も一織も大和さんも準備できたみたいだし、再開な!」
「陸くんも一織くんも、かっこいいね。お揃いのスーツなんだ」
「グレンチェックのスリーピースです。紺とえんじというネクタイの色に合わせて、私はブラウン系、七瀬さんは紺系のスーツを選びました」
「選ぶところからだったんだ」
「はい!それで時間かかっちゃって……つぎ、オレからだよね?」
「おー。陸は初おねだりだな!気楽にいけよ」
「うん!うまくできるかわからないけど、がんばる!」
「じゃりっくん別室ー」
「七瀬さん、私の言った通りに」
「うん。ありがと一織!行ってきます!」