キスおねだり可愛い選手権 4【壮五編】
「ハロー、ソウゴ。皆のところへエスコートしても?」
「えっ?!」
『え、ナギ?連れてくんの?』
『こっちの声、向こうには聞こえねえのに、ソウもミツと同じ顔してるわ』
「ここで二人でキスをするんじゃないの?」
『改めて言うと突拍子ありませんね』
『ソウが真剣なのが逆に面白いよな』
『わ、ナギ跪いた!かっこいい!』
「あなたは美しく咲きほこる一輪の花。手折ってワタシだけが愛でるのは簡単なことですが、美しいあなたが最もあでやかに香るのは、愛するみなと居る時です」
「ナギくん」
『あの上品な装いの逢坂さんの手をとってキス。幻想的ですね』
『王子様みてー。そーちゃん、ちょっと女っぽい顔してね?』
『ナギがこっちサイドにいたら言いそうだなー、オー!ソウゴ、見事なメス顔です!……痛っ!つねんなよ!』
『大和さんもー酒入ってるわけ?』
『三月、メス顔ってなに?』
「……でも、みんなの前にこの格好で行くのは、さすがに、ちょっと恥ずかしいかな」
「What?なにが恥ずかしいと言うんです。ソウゴはこの企画、お嫌いですか?」
「嫌い……では、ないと思う。移動の合間とか、番組を見ながら、環くんと反省会をするのは、楽しいよ」
「では、胸をはるべきです。誰かの熱意に応えようと、ソウゴは今その姿になっている。それはとてもソウゴらしい生き様だと思いますよ。誇りこそすれ、恥じらうものではありません」
『うまいな。ソウの弱いとこバッチリ支えてやる感じ。低いとこから見上げて言うのも紳士的』
『さすがナギだよな。あの声で言われるとどんな言葉でも頷きたくなってくんだよな……』
「でも、そうですね。ソウゴがこのまま皆の前に出るのが恥ずかしいというなら、ワタシから魔法をかけて差し上げます」
「魔法?ここなさんのかい?」
「ここーな!……そうですね、ここなの魔法と同じくらい効果があるかもしれないですね。確かめてみますか?」
『一瞬いつものナギだったな』
『壮五もいまちょっとニッコリしてたな』
『あはは!まじかる〜!』
『りっくん、手違くね?ここなの呪文はこうだろ』
『ちょっと。脱線しないでください』
「そうだな、ちょっと興味ある。魔法、かけてくれるかな?」
「Yes。では、ワタシの頬に手を添えて」
『美人は立ち上がるだけでも画になるな。ソウも見とれてる』
「ナギくん、頬がとても冷たいよ」
「No problem、ソウゴがこれから温めてくれるのでしょう?さあ、ワタシの瞳を見つめて」
「こうかな?」
「Goodです。では魔法の呪文です。よく、聞いてくださいね。目をそらしてはいけませんよ」
『あれ、ナギのやつ、急になんか切なげな表情に……』
「……キスして。美しい人」
チュッ
『終了〜〜〜!つか顔の力じゃん!ナギずりーぞ!』
「ソウゴ面食いです!ワタシ美しいです!需要と供給、ワレナベにトジブタ、何が悪いですか?」
『難しい日本語知ってんなー』
『大和さんも感心してんじゃねえよ!……てか壮五大丈夫か?放心してね?』
「あっ、はい!大丈夫です!はい!ナギくんすごく綺麗で、気づいたらキスしていました」
『壮五……。怪しい壺とか、ナギなら年2万個くらい売れそうだよな』
「ツボ?ツボよりここなの円盤を購入して欲しいです。公式への投資、次回作として還元されます!」
『はいはい。ナギ戻ってこいな。……ソウ、緊張解けたか?』
「はい。つぎは陸くんが来るんですよね」
『はい!あっ、環が今あやとりで星の作り方教えてくれたんです!やっていきますか?』
「今夜帰ったらみせてもらおうかな。環くん、収録中はちゃんと中継を見なくちゃダメだよ」
『わかってっし。そーちゃん見て欲しくなさそーなこと言ってたじゃん』
『壮五さんのためだったんだ!どうしよ、オレけっこう見ちゃった!』
「……そうか、優しいね。ありがとう、でもいいんだよ、頑張っているところは見ていて欲しい」
『ほんと?』
「本当だよ」
『じゃあ環、オレもがんばるから見てて!』
『ん。そーちゃん、りっくんにならすぐチューしちゃいそうだな』
『そうかな?じゃあ、戻ってきてから唇の感触教えてあげるな!』
『そろそろ解決したかー?環と陸のあやとり披露は今夜に取っとくとして、陸、任せたぜ!』
『うん!行ってきます!』
「あ、コメントパート忘れてた。えーっと、ナギやっぱかっこよかった、以上!じゃあ陸の挑戦です!」
「サンクスミツキ!リク、ファイトです!」