キスおねだり可愛い選手権 4【壮五編】


「お疲れ様です。七瀬さん、随分と浮かれていましたよ」
『取引先と営業みたいなお辞儀するなー。てか、壮五マジ美人だから、弟のデート見てる気分になってくるぜ……』
『お茶出し始めたし、どっちかっていうと若い父親と女教師の面談っぽいけど』
『一織って、デートの時も、女の子が遅刻したら怒るのかな?』
『仕方の無い人ですねと言ってため息をつくのでは?』
『それ、オレよくやられる!』
「あ、お茶、ありがとう。さっきの陸くん、とても可愛かったね。ああいうやり方は陸くんにしか出来ないと思うな」
「私もそう思います。が、あえて踏襲させてもらいます。私は逢坂さんに落ちて頂きに来ましたので」
『イチ、茶飲みながら結構すごいこと言うな』
『ユノミを置いてソウゴに向き直りましたね』
『いおりん、喋る時ぜったい目見るよな。眼力?つよい』
「七瀬さんにしたように、私にも、キスをください」
『壮五反応薄いな』
『手の内は分かってるみたいな微笑み浮かべてんな……イチとソウ、タイプ似てるし、これは苦戦するか?』
『一織も悩んじゃってるな』
「踏襲するってことは、僕を見つめるってこと?」
「はい。逢坂さんがキスをしたくなるまで」
「うーん、一織くんに見つめられても、きれいだなって思うばかりで、キスをしたいとは思わないかも。環くんと同い年だし、いじらしいなって気持ちが先行しちゃって」
『対象範囲外……ソウゴ、手強いですね。倫理観のハードルが高いです』
『年下に弱いっつっても高校生はダメなのかー』
『大人と高校生の組み合わせって、普通ダメなんだけどな。オレら高校生に何やらせてんだろ』
『別に、良くね。クラスのやつ、大学生と付き合いてーとか言ってる奴、いるし』
『タマは優しいな』
「では、逢坂さんにキスしてもらうには、どうしたらいいですか?」
『ダメ押しだ!ダメ押しする一織だ!』
『壮五の方に身を乗り出した!』
『しかーも上目遣いでーす!』
「うーん。一織くんは、強気に迫ってきておいて、後でちょっと照れるとか似合いそう」
『そーちゃん楽しそー、みんな年下いじめんの好きだよな』
「……どうして欲しいんです」
「きみの、年下らしいところが見たいな」
『うわ〜……壮五さんすっごい……すっごい、なんか、なんて言ったらいいのかな、三月……ってうわ!すっごい顔渋いよ!大和さんも!』
『二人とも、魅力的な女性に耐性がないのでしょう』
『一瞬ギュンッて来ちまった自分を嫌悪してるんだよ……』
『声も顔もソウなんだけどな。こう……な』
『どうだよ。みっきーもヤマさんも焦りすぎじゃね?』
「年下らしいところですか……でしたら」
『一織がんばれー!』
『手も目もギュッてつぶってかわいーなー。もうオレ弟だけ見る』
「キスしてください。お、おねえちゃん……」
『イメク……』
『大和さん!!!退場!!!』
『ソウゴも照れています』
『あれ嬉しそーな顔じゃね?ニヤニヤしてんよ』
『あれの時みたい!アイナナ学園!』
「仕方ないな。いいよ」
チュッ
『終了〜!陸、大和さん持ってって!』
『アイサー!』
『わちょっちょっちょっ、リク!持ち上がんないって!』
『お、重い……!一織が言ってた通りかも!大和さん太った!』
「兄さん?そちらで何があったんですか?」
『No problem、気にすることはありませんよ』
「釈然としないんですけど……」
『で、壮五、一織、どうだった?』
「お姉ちゃんって呼ばれたのは初めてでした。新鮮な体験が出来たので評価は高いです」
「逢坂さんは、意思の強い人ですけど、お願いしたらしてくれそうだ、と踏みました。多少のハプニングはありましたが……まあ、目標は達成出来たかと」
「初めの方向性も、他の子の名前を引き合いに出しちゃうところは一織くんっぽかったな。僕は好きです」
「逢坂さんはどこの視点のコメントなんですか?」
『てことで真面目ふたりの暴走終了!一織戻ってこーい!』


「いやー、手に汗握る戦いだったなーイチ!」
「は?ちゃんと見てました?」
「見てた見てた!一織のことはバッチリ見てたぞー!隣の美人はあんま見れなかったけど!」
「次、俺?」
「Yes!タマキ、自信たっぷりですね」
「そーちゃんちょれーからよゆー」
「じゃあ皆さんお待ちかね、MEZZO”の挑戦です!環、行ってこい!」
「環、頑張って!」
「うーい。サクッと行って帰ってきてやんよ」

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