キスおねだり可愛い選手権 5【TRIGGER編】
『高貴VS高貴って感じだよな……九条がオネダリするところなんて想像つかないな。大和さん、どう思う?』
『ファンの子的には美味しいんじゃねえの?九条、部屋入るなり窓際行っちまったな。座るやつが多いのに、珍しい』
「……ナギ、何してるの」
『えー!呼び捨てだ!九条さんって、いつも苗字で呼ぶよね?』
『普段名前で呼ぶことの無い方の名前呼び、新鮮ですね。勉強になります』
「何とは?」
「着いてきて、窓を開けて。入口でただ待っている子には、ご褒美はあげられないよ」
「ほう。あなたのキスがワタシへの褒美になるとでも?」
「そうじゃない。キミの大好きなもの、一緒に観てあげる」
「ワタシの……?まさか……」
『天のやつ、背中に何か隠し持ってないか?』
『……あっ!あれは!天が前にナギくんにもらってた……』
「魔法少女まじかる☆ここなのアニメ。興味深かったよ。聡い子どもも飽きないように作り込まれていて、ボクも引き込まれた。……こういう話がしたいんでしょう?」
「!九条氏……」
「さあ、こっちに来て、窓を開けて」
「YES!」
「ありがとう、風が心地いいよ。ここじゃ話しづらいね、ソファに座ろうか」
「YES!」
「いい子。それから、キスもしてくれる?」
「Y……騙されるほど子供ではありませんが?」
「ふふ。キミはボクより年上だったね。じゃあ、年下みたいにお願いしてあげようか」
『天、あいつとことん上からだな。どこが年下みたいだよ』
『ナギ、いいなあ……すっごい褒められてる……』
『てんてん、兄貴ーって感じ。兄弟だったら
リュウ兄貴、てんてん、がっくん』
『俺が末っ子なのか?』
『楽も天もかっこいいから、環くんに俺が2人の兄ちゃんって見えてるなら、光栄だな』
『八乙女も十さんも、おたくのセンターがナギに上目遣いでオネダリしてんぞー、見ててやれよな』
「可愛くオネダリしてあげるから、ご褒美を頂戴」
「……なんのご褒美を?」
「……ボク、ここなのそのアニメを見て、感動して泣いちゃったんだ。ちゃんとよく見て偉いって、褒めてほしいな」
『そろそろ時間です。九条さん、決めに入りましたね』
「……どちらのシーンで泣かれたのか、お聞きしても?」
「ここなが、みんなのために、ボロボロの姿で立ち上がるところ。いつも通りの力なんてもう残っていないのに、いつもと変わらない笑顔を見せて、また戦いに戻っていく姿に感動した」
『九条が唇に指を……!あのポーズ、円盤で見た!』
『九条さん……!見てください壮五さん!九条さんが!』
『見てる、見てるよ陸くん、九条さんもナギくんも綺麗で、ハリウッドのどんなスプラッタよりも刺激的だね』
『そーちゃん、それ褒めてねーから』
「ねえ、ナギ……ボクを魔法のキスで賞賛して」
『九条さんの上目遣いにも六弥さん、動じませんね……。これは……』
「……完璧なアナタにも、1つくらい魅了できないものがあってもよいのでは?」
『終了〜!』
「やはりメンバー以外の男性にキスはできません。ここなをチラつかせてワタシに言うことを聞かせようなどと……見下げ果てたやり方です」
「その割にぐらついていたように見えたけど。キミも弟なんだって感じて、ボクはちょっと楽しかったです」
『はは、うちのナギがわがままでごめんな。じゃー九条は部屋で待っててくれよ。環、行けるか?』
『よゆー。てんてんには色々言いてーことあるし』
『放送できる程度にな〜、ってこういうこと普段は壮五が言ってくれてんのに、今日の壮五ほんとに大丈夫かよ』
『大丈夫です』
『目が合わないんだよなあ……こんな、ぐぎぎぎ、って感じに微笑む壮五滅多に見ねえぞ』
『ほっといていーと思う。じゃいってきます』
『お、タマ、やる気じゃん。期待してるぜ』
『おー。約束忘れんなよ!』
『はいはい』
『約束?大和さんまたなんかやったのかよ?』
『まあ気にすんなって』
『天、大口叩いて出鼻くじかれてんじゃねえよ』
「そう言う楽はキスできるんだ?楽しみにしてるよ。というか、逢坂壮五はまだ正気に戻らないの?彼、ペースの崩れないオールマイティーさがウリでしょう」
「ソウゴの気持ち、ワタシには分かります。憧れのスターとの共演、天にも昇る光栄でしょう」
『うーん、ナギの、ちょっと違うんじゃないかな……』
『ナギ戻って来ていいぜー、いそいそテレビに円盤セットすんなー』
「仕方ありません。九条氏との鑑賞会、楽しみにしています」
「ふふ、キスはしてくれなかったのに鑑賞会はするんだ。弟って、みんなこうなの?」
『ちょっと。私は違いますからね』
『ナギ戻ってきて!九条さんとの鑑賞会はオレも呼んでね!』
『それでは2回戦!環から九条へのおねだり、行ってみましょう!』