キスおねだり可愛い選手権 5【TRIGGER編】


「三月くん、抱きしめてもいいかな」
「あ、はい、……えっ」
『ええっ!いきなりハグ?!しかも背中からなんて……』
『そーちゃん、耳元で、うるせー』
「いつもみんなの兄ちゃんで、がんばって、えらいな」
『ミツが大人しく頭撫でられてんのとか初めて見んだけど……』
『運動部ではあんな感じなんでしょうか。兄さん……』
「十さん、ちょっ……やめてくださいよ、恥ずかしいです、一織も見てるし」
「あ!ごめん。そうだよね」
「あはは、さすがに弟の前では、気まずいんで……」
『和泉一織はなんのガッツポーズなの?』
『してません』
『兄ちゃん守れて嬉しいんだろ。いやー、ミツがたじたじしてんのおもしれーわ』
「……ほっぺた、赤いね。暑い?おいで、冷やしてあげる」
『三月さん、十さんに肩を抱かれたままベッドに誘導されてしまいましたが……』
『あのベッド、ふかふかだよね。三月と十さんが乗ったらすっごい凹みそう!』
『えっ、十さんなんで上脱いだの?そんなの余計あったまっちまうだろ』
『二階堂さん、18歳未満のメンバーの前で言えることだけ言ってくださいね』
『はは、イチ真っ赤。照れてんの?』
『うるさいです……兄さんがあんな風にされているところを見たことがないので、気恥ずかしいんです』
「ここで待ってて」
『十さん、三月をベッドに寝かせて、洗面台に行っちゃった』
『ちょっとちょっと、放送出来るやつか?ソウが既に放送できない顔になってんだけど』
『ソウゴ、ワタシの次に美しい男なのですが、残念です』
『龍、戻ってきたね。顔も手もびしょびしょじゃない』
『龍が髪かきあげると、海の男って感じで、イイよな』
『ベッドに寝そべったミツの枕元に手ついて、まだ髪濡れたまんまで顔覗き込む……a’nanとかの定番構図じゃん。さすがに十さん慣れてんな』
「……手、冷やしてきたんだ。君に触れてもいい?」
『か、確認ッ……!』
『壮五さん?!胸が痛いんですか!?』
『だ、大丈夫……驚いた、だけだよ……紳士的な色気に……』
『そーちゃん、こえーよ……』
『ああ、十さんが、兄さんの頬を撫でて……首すじ……鎖骨……順番に……触れて……』
『一織?唇そんなに噛んだら痛いよ』
「俺とキス、したくならない?」
「し、したい……」
『ミツーーーーーー!』
『ミツキーーーーー!』
『兄さーーーーーん!』
『この3人は和泉三月に弱みでも握られてるの?』
『オレも、もしてん……兄さんがこんなふうに誰かにキスされそうだったら、なんか、叫んじゃうかも……』
『そ、そう……』
「俺も、三月くんと、キスしたい」
「……十さん」
『ああ、あっちもこっちも変な空気になっているのに、一織くんが取り乱しているから、止める人がいない……』
『そーちゃんも落ち着けって。がっくんの手でも握っとく?』
『いいぜ。ほら』
『八乙女さんッッ?!?』
「髪、少し……濡れちゃったね」
『ミツのデコ撫でて前髪避けて……あ、顎クイ……』
『兄さん……』
『ミツキも瞳がうっとりしています……』
「目、閉じておくから。三月くんから、キスして」
『三月、汗かいてる……』
『龍にのしかかられてるから、暑いんじゃない?』
『あんなにしおらしい和泉兄、初めて見たぜ』
『緊張するミツなんか、ファンの子には目新しいんじゃないの』
『リュウ兄貴のキス待ち顔、ちょーイケメン』
『つ、十さんの頬に、三月さんの手が……』
『兄さん……』
チュッ

「終了〜〜!!!だよな!?全然向こうの声聞こえねえけど!」
『龍!やったな!』
「ありがとう!三月くんも、ありがとう。急に迫ってちょっと怖かったかな、ごめんね」
「いや全然!うちのメンバー、こんな男らしくてエロい人いないんで、オレこそすげーどぎまぎしちまって!照れたー!」
「あはは、エロい人……」
『はは!龍はエロいよな』
『あ、TRIGGERさん的にはそこ自慢なのね。えーと、ミツ、どうだった?』
「いやー、100年くらい若返った気がする。寿命伸びたわー」
『こっちは寿命が縮みました……』
「はは、なんで一織が疲れてんだよ!ちょっと恥ずかしかったけど、楽しかったです!十さん、ありがとうございました!」
「こちらこそ。三月くんの目、大きくて綺麗で、見とれちゃった。またよろしくね!」
『は?え、十さん、何を?』
「あ、あの!違うんだ、スポーツとか普段一緒にしてるから!そっちでまた遊ぼうって話だよ!」
『プライベートでまたキスするつもりなのかと思ったぜ。にしても、龍はさすが、決める男だな!』
『ボクらのお兄ちゃんだもんね。安心したよ。お疲れ様、龍』
「楽、天、ありがとう!」
『この調子で二階堂からのおねだりも耐え抜けよ!お前、人がいいからすぐキスしちまいそうだ』
「が、がんばる!」
『楽しみにしてる。それじゃ、和泉三月さん、戻ってきてください』
「はいよー!大和さん、最後オレの仇とってくれよな!」
『二階堂、龍の色気に負けんなよ』
『なに敵に塩送ってるの。キミ達、意外と仲良いよね』
『別に仲良くないですー。じゃ、行ってきますわ。ミツの骨でも拾ってやりますかね』

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