キスおねだり可愛い選手権 5【TRIGGER編】
「十さんの唇、柔らかくて、あったかそう……これでキスしたら、気持ちいいんだろうな……」
「大和くん!?ち、近いかな!」
『開始早々ベッドシーンか。さすがグループ最年長対決だね。龍の押しに弱い所をうまく突いてる』
『なるほど、あの手があったか。大和さんエロいなー』
「唇、触ってもいいですか……?」
「え、えー、えーと、い、いいよ……?」
『おい、やばいぞ。龍、このままキスしちまうんじゃねえか』
『う、うわ、大和さん……すごい……』
『七瀬さんは見ない方がいいんじゃないですか、ねえ和泉一織』
『私、あなたと七瀬さんよりも年下ですけど……』
「俺の唇も、触っていいですよ」
「う、うん」
『触るのかよ!十さん、人よすぎじゃね?!』
『龍はいい奴だぜ。俺が保証する』
『いや、いい人なのはいいけど……これ、大和さんにねだられたらすぐキスしちまうだろ。ベッドの上で唇触り合ってんの、エロすぎ……』
「十さん……キス、したくなっちゃった……」
『二階堂さん、もう勝負を決めに行きましたね』
『恥ずかしいんだろ、あの人自分の出演作もリビングでは見ねえじゃん』
『大和さん、恋愛ドラマの仕事も増えちゃいそうだね』
『二階堂大和なのに裏切らなかったってネットに書かれるやつだろ。あいつ、殺人鬼とか復讐鬼とかやり過ぎなんだよ』
『ヤマトのドラマ、いつも緊迫感あります。ヤマトが闇に落ちる回はいつもラビッターでもトレンド入りしますね』
『なんだかんだ名前で数字取ってんの、すげえよな。演技力だけじゃなくて、目が離せない感じ』
『シっ。二階堂大和の唇が、龍の唇に近づいてる。このまま……』
「大和くん……それはダメだよ」
『ほら……え!?ダメ!?大和さん、キス断られてる!なんで!?』
「大和くんは、本当に俺とキスしたいの?」
「しッ……たい、ですよ」
『したくねえんだろうな……こいつ、みたいな顔したじゃん、一瞬』
『龍も眉を下げたね。そういう取り繕いは龍には通じない。二階堂大和さんが劣勢になってきたね』
「俺はね、大和くんをすごいと思ってるんだ。俺より年下なのに、6人のメンバーをまとめて、いちばんに引っ張りながら、ドラマも映画も出演して。スタッフさんにも信頼されて、愛されてる。大和くんにしか出来ないことをしてる」
「ちょ、あの……やめてくださいほんと」
『あ!出た!三月方式、褒め殺し!』
『なんでオレ方式なんだよw大和さん、直球弱いからなー。普通にイライラした顔しちゃってんじゃん』
「そんな大和くんにキスをねだられることは、俺にとって名誉なことだよ。だから、こんなふうに無理やり、いやいやじゃなく、大和くんの意思でねだって欲しい」
『これ、十さんがねだってるんじゃないですか?可愛くもないですし、番組名から逸脱してきましたが』
『番組名無視はいつものことだろ。大和さん、まだ1回も可愛くおねだりしてねえし』
『ヤマト、隠していません、マジふざけんなの顔が出ています』
「……分かりましたよ。あんたの、年下のメンバー守るって気概、とかは、尊敬してます。……だから俺にキスしてください!」
「うん。楽、天、ごめん」
チュッ
『終了ーーーー!最終決戦は大和さんのオネダリ成功?でフィニッシュー!熱い戦いだった!』
「あのー、キスする前にメンバーの名前呼ぶの、人妻口説いたみたいでキツいんで、やめてもらえません?」
「ご、ごめん」
『おい!龍にキスさせといて文句言ってんじゃねえよ』
『十さんだっておっさんとキスしたくてしてんじゃねえんだぞ!』
「そんなことないよ!大和くんとのキス、嬉しかったよ。大和くんが珍しく甘えてくれるから、張り切っちゃった」
「だからキツいっつってんですよ……いやすいません、言いすぎましたけど」
「気にしてないよ。ありがとう」
『二階堂さん、試合に勝って勝負に負けた、という印象の対決でしたね』
「勝ってんだからいいでしょ。はぁー、ほんと、リーダーも楽じゃねえわー」
『大和さん、かっこよかったです!』
『すげーエロかったー』
「リクもタマもいい子だな。帰りにデザート買ってやろうな」
「大和くんは、IDOLiSH7ではいいお兄ちゃんなんだね」
「あー、はは、もういいですって。……これ、ミツの仇取れたんじゃない?」
『エロエロ対決すごかったわ。サンキュ、大和さん!十さんはどうでしたか?』
「みんないつもこんなことしてるの?心臓壊れちゃいそうだったよ」
『いや、いつもはこうじゃないです。大和さんの暴走なんで』
『エロエロビーストが何言ってるの。龍はボクらのお兄ちゃんでしょ?しっかりして』
『おい、龍。ほいほいキスしてんじゃねえよ』
「ごめん。引き分けにしちゃった」
『平気。元々はボクら自身の失敗なんだ、楽とボクで、このあと取り返すよ。TRIGGERに、傷は負わせない』
『ムカつくが、天の言う通りだ。あとは任せとけよ』
「ありがとう。それじゃあ、このあとが最後の戦いになるんだね」
『おう!十さん、大和さん、戻ってきてくれよ!』