キスおねだり可愛い選手権 7【Re:vale編】

《廊下》

「ふう……そろそろ1時間か……？つーか、誰にも会わねえな。もう全員クリアしたのか。ちょっと部屋覗、うわっ」
「ヤマト。なんの悲鳴ですか？」
「いや、自分のグループの奴が先輩をツインテールにしてるのを見た悲鳴……何してんの」
「ミスターユキが寝てしまいました。キスで起こすように言いつけられ、遺憾に思いましたので、うさを晴らしています」
「なんで猫耳つけられてツインテールにされても起きねえんだよ。つーか、この人ほんとこういうカワイイ系似合わねえな……」
「ヤマトは何をしていたのです？」
「さっきまで洗面所に潜伏してたんだけど、そろそろ終わりそうだから、一応多少の撮れ高は意識しようと思ってさ。上がったヤツらの部屋覗きに行くとこ。俺の部屋だけど」
「なるほど。ではヤマト、重大な使命を与えて差し上げます」
「嫌だ」
「まだ何も言ってません！」
「ナギがそいつから言いつかった重大な使命なんだろ？先輩の命令は断れないよなあ？」
「ヤマト、ひとつよろしいですか？」
「なんだよ」
「ヤマトは今フラグを立てたようですよ」
「は？」
「そうだよ、大和くん。僕は君にまだキスをねだられてない」
「うわ、寝てろよ」
「そんな口を利いていいのかな？先輩の言うことは絶対なんだったっけ」
「こいつ……」
「さて。大和くん、リーダーらしく、最後のおねだりしてみせて」
「あー、ナギのキスがまだなんじゃないですか？」
「うーん。ナギくん、どう思う？」
「ミスターユキは王者ですから、唇へのキスは畏れ多いです」
「王子様の前で王者は名乗りづらいよね。じゃあ、手の甲にでもしてもらおうかな」
「御心のままに、ミスターユキ」
チュ…
「……この企画って、俺らがねだって千さんにキスしてもらう企画なんじゃないんですか」
「そうね。ナギくん、僕からもしてあげようか」
「いえ。この部屋に入ってから2分以上過ぎています。得点にならないのであれば、キスする必要はありません。ではヤマト、ワタシはミツキたちのところへ行きます」
「え？待って……別にいてもいいじゃん」
「このままここに居ては、タマキとイオリのように弄ばれるかもしれませんので……健闘を祈ります」
「はあ？あんた、タマとイチにもなんかしたのか」
「環くんにはプリンをあげて、一織くんには可愛い猫耳の環くんを見せてあげたかな。いい先輩でしょ」
「……ナギ、お疲れさん」
「ファイトです、ヤマト」
「あー、はは、ウインクが眩しいわ……。……で、俺に何させようって言うんですか」
「おねだりしてくれるんでしょ？」
「その前にその猫耳とツインテールとってもらえますか？なんか気が散るんで」
「僕に集中したいの？いいよ、外してくれる？」
「くっ……、まあそうですね、仕事なんで。仕事なんで、集中してやりますよ」
「ふふ。大和くんって可愛いとこあるよね」
「はーーーー……つか、あんた、百さんと俺にするキスの内容とか打ち合わせんのやめてくださいよ」
「モモにキスしてもらえたんだ。どうだった？味」
「知らねえよ……ほら、髪とかしますから、向こう向いて」
「背中向けたらキスできないよ」
「また振り向けばいいでしょ。クソ、この会話撮られてんのか、最悪……」
「僕も恥じらった方がいい？」
「別に恥じらってないんで」
「へえ。大和くん、意外と優しくとかすんだね」
「いいでしょ、別に。あんたの髪は嫌いじゃないんで」
「へえ」
「ちょっと黙っててもらえますか。……仕事ぶりとか、……意外に周りが見えてるところも……誰かのために体張って見せる背中も、それなりに、……尊敬してます」
「そう」
「あんたのキスなんか、別にいらないですけど」
「うん」
「そのうち俺たちがあんたらを追い越して、あんたにキスをねだられる側になるのは悪くないかもしれないですね」
「へえ」
「……はい、とかしました。キスしてください」
「大和くん。振り向いていい」
「……どうぞ」
「なんだ。照れてないんだ」
「照れてて欲しかったんなら、他の可愛いメンバーにキスしてやればいいですよ」
「欲しいものを欲しいって言うの、そんなに恥ずかしいんだね」
「……っ、るせえな……」
「ねえ。して、って言ってごらん。そしたら、キスしてあげる」
「さっき言ったっての」
「して、って言ってみてよ」
「チッ……、し……して」
「……一時間経っちゃった。ごめんね、キスしてあげられないや」
「っ、はあ！？この野郎……」
「ということで、終了だね。待機室のみんなを迎えに行こうか」
「……最っ悪」
「悪態をついてしゃがみこんでても男前だよ。IDOLiSH7の夢を、IDOLiSH7のリーダーから聞くなんて、キスよりすごいご褒美もらっちゃったな」
「あーもー全部忘れてください……あー……」
「まあいいじゃない。キスは後でしてあげるから」
「いらねえっての！」

大和 1pt（時間切れ）
ナギ 1pt（挑戦権切れ）