キスおねだり可愛い選手権 7【Re:vale編】
《リビング》
「……はい、リビングでーす」
「大和、声低いよ!仕切り直し仕切り直し!まだ起きてないのは三月と環とナギ?いつも三月は早起きしてごはん作るって聞いたけど。珍しいね。ごはんまだ?」
「食べ盛りの私より無邪気に食事をねだりますね……なにか作りますか」
「モモ、さっき僕の食べただろ」
「アイナナ寮のごはんって家庭の味だから飢えちゃって……ユキのごはんはいつだってプレシャスで大好き!」
「今夜は黒毛和牛のローストビーフ、仕込んじゃおうかな」
「料理まで完璧なダーリン、イケメン!」
「あのー、本題まだなら帰って寝ていいですか」
「大和さん、一応収録?ですから……」
「壮五、どうして不安そうなの……?オレとユキがポケットマネーでスタッフ募ってドッキリに来たと思ってる?」
「5割くらいはありそうですよね、Re:valeのおふたりなら」
「一織のいれてくれたお茶、すっごく美味しい!残りの5割に乾杯しちゃう!」
「いや、正直、いいの?僕らとこーんないたいけな子がキスしちゃって。陸くんのほっぺすべすべだね。ねえお義父さん」
「誰がお父さんだ。いやでもほんと……感覚狂ってきてるのは確かだよな……リク、嫌ならやめていいんだぞ。突き飛ばして逃げなさい」
「や、やめていいんですか……?突き飛ばすのはちょっと……」
「はあ、すべすべ。気持ちいい」
「七瀬さん。惑わされないで。その人、競争相手を減らして成功率を上げたいだけですよ。おおかた、少しでも少ない挑戦回数でクリアしようという魂胆でしょう。見え透いていますね」
「一織くん……当たっていそうだけど……」
「ほうら、わかる?大和くん。この生意気な口がきけちゃうおたくの末息子くんも、苦笑いの綺麗な若旦那様も、全員僕らのひとなでで言いなりになっちゃうんだよ」
「そんなの気持ちいいよね、ユキ」
「うわっ、モモさんっ!近いッ!」
「壮五にうわって言われた……」
「つかそれ、どういう家庭の設定なんすか……」
「君らが大和組長と若旦那で、三月くんは一番目をかけてるのに頑なに前線で戦いたがる出世欲のない構成員ってとこ?それと、孫の一織くんと護衛の環くん。ナギくんは参謀で、陸くんは可愛がってる室内犬」
「くっ、無駄に分かる……」
「オレ、犬?」
「二階堂さんまで言いなりになってるじゃないですか……確かに分かりますが……」
「ねえオレ犬なの?」
「かわいい陸にオレもユキもメロメロってこと!陸にはオレからハグをあげちゃう!」
「わっ!へへ、モモさんあったかいですね!」
「にゃはは、、実はカイロ貼ってました!朝はおじさんには冷えちゃうからにゃ〜、陸にもあげる。って、モモちゃんアイドルだから、まだまだおじさんにはなりませんぞ!」
「モモがおじさんなら僕はおじいさんかな。眠いから帰ってもいい?大和くん、タクシー呼んでよ」
「あんたらが喋るとツッコミが追いつかないんで1人ずつにして貰えます?」
「兄さんを起こしてきます」
「イチ、頼んだ……!」
「一織くん、ダメだよ。三月くんの寝起きなんて、君には刺激が強すぎるんじゃない?」
「いえ、実家では一緒に寝起きていた頃もありましたけど……」
「そんなこと言って、君だってもう年頃じゃないか。日夜クラスの女の子のブランマンジェのことで頭がいっぱいなんだろう?」
「嘘っ、一織ってば、そうなの?意外とやるね!」
「ええっ、一織そうなの!?や、大和さん、ぶ、ぶら……って何ですか!?」
「夢見る年頃のうちの青少年に、胸が膨らむ単語吹き込もうとしないでくださいよ。リク、ブランマンジェって言うのはな、女の子のココと、ココの……」
「アーモンドミルクの洋菓子ですよね!?二階堂さんはいやらしい手つきを七瀬さんに見せつけるのを今すぐやめてください」
「え〜?鎖骨の下撫でてただけじゃん。やらしいのはイチの方なんじゃねえの」
「……兄さんを、起こしてきます」
「ごめん!ごめんって!ミツには言うな!」
「大和くんってMなの?」
「そうみたい。今度何かいいもの差し入れよっか」
「いいもの?モモのイニシャルはあげちゃダメだよ」
「ゆ、ユキ……オレの名前は、オレとユキとRe:valeのものだよ……」
「そっちはそっちで俺の性癖ダシに夫婦漫才こじつけるのやめて貰えます!?つーかそんなにMじゃねえよ!」
「そんなに(笑)大和って正直だよね!」
「あーもー!」
「すごい……大和さんが朝からこんなに叫んでるの、初めて見ました!どうやってるんですか?」
「リク!いらん教えを乞おうとするのはやめなさい!」
「陸くん、僕らではまだたどり着けない領域だよ。ナギくんと環くんを起こしに行ってこよう」
「ソウもすかさず俺をこの人たちと3人きりにさせようとしないでくんない!?」
「でも、楽しいことが起きてる時にナギ起こしてあげないと、かわいそうだから!オレ起こしてきます!」
「リクはリーダーの受難を楽しむような子じゃないでしょ!」
「陸くん1人じゃ心配なので、僕もついて行きます」
「じゃあオレも行く!抱かれたい男子高校生の寝起き腹チラ拝めちゃうかも!」
「僕も興味あるな。異国の王子はどんな綺麗な顔で眠っているのかな」
「結局全員行くのかよ。俺は待っときます、朝からすげー疲れた……」
「三月にさっきの大和のジェスチャーしっかり伝言しとくね!」
「俺も行けばいいんですね!?」