キスおねだり可愛い選手権 7【Re:vale編】
《廊下》
「あ。男子高校生と男子高校生のかわいいセンターに見つかっちゃった」
「なんですかそれ。私は別に七瀬さんをかわいいなんて思ってません」
「そう。一織くんと陸くんは二人で行動してるんだ」
「はい。寮内にカメラが入るというイレギュラーな事態、七瀬さんが何かやらかさないか監督する必要がありますので。冒頭、いきなりはぐれましたが」
「それで陸くんがしょげてるのか」
「さっき一織に叱られちゃって……でも、あったかいお茶もいれてくれました!」
「へえ。一織くん、僕にもいれてよ」
「もう口説く時間はじまってるんじゃないんですか……?」
「あ!どうしよう、一織とオレどっちから口説いたらいいですか?」
「そうだな。2人でちょっとときめかせ合ってみて。どちらかを倒した方にキスしてあげる」
「分かりました!一織!オレをときめかせてみて!」
「ふふ、何か始まっちゃったみたい」
「やめてください、うちのセンターは騙されやすいんですから……七瀬さん、ここは譲ります。どうぞ千さんを口説いてください」
「えー!戦おうよ!オレこういうの好きだよ!」
「余計な体力を使ってどうするんですか。そんな様子じゃ、収録後半にへばって、3ポイントなんて獲得できないんじゃないですか?」
「そんなことないよ!オレもう2ポイントあるもん!一織こそ、そんなこと言って怖いんだろ。オレにきゅんきゅんしちゃうのが!」
「どういう解釈をしたらそうなるんですか。話になりませんね」
「うんうん。陸くんにも困ったものだよね。ちなみに僕、たまたま偶然猫耳を持ってるんだけど、陸くん、つけてみない?」
「え?はい!」
「私は今あなたに困っていますけど!?千さん、やめてください、どうして猫耳なんか……!」
「壮五くんが誰かに貰ったらしいんだよね。キスのお礼に快く貸してくれたよ」
「七瀬さんも素直に受け取らないで……ううっ!」
「一織?!」
「あーーーゆきりんみっけーー!チューしよ!」
「わあ、僕、モテモテ。いいよ。環くんは僕に何をしてくれる?」
「ゆきりんが収録疲れたら、おんぶして、走る!」
「採用。おいで」
チュッ
「え!ユキさん、オレ猫耳もつけたのに……」
「ごめんね。僕、筋力のある人って、好みなんだ」
「筋力じゃなくて利便性でしょう、省エネルギー願望が見え見えなんですよ……」
「目を覆って何も見えていない一織くんに言われたくないな。陸くん、一織くんの手を目から離させてあげて」
「あいあいさー!」
「やめっ……やめてください!見せないで!猫耳なんて別に好きじゃありませんから!」
「分かってるよ!ほら、手を外すんだにゃー!」
「本当にやめてくださいっ!」
「それじゃ、陸くん、一織くん、環くん、またね」
「はい!……あっ、オレキスしてもらえなかった!」
一織 0pt(挑戦権残り2回)
環 1pt(挑戦権残り2回)
陸 2pt(挑戦権残り1回)